• 桑野 健介

住友不動産の違法欠陥マンション「シティタワー大濠」の欠陥


構造スリットの未施工と基礎杭の長さ不足

 シティタワー大濠は中央区の護国神社の向かい側に建つ鉄骨鉄筋コンクリート造15階建ての分譲マンション(2000年3月竣工、31戸)であり、分譲時の価格は1,980万円~9,800万円。以前に報じたように、このマンションには下記の欠陥がそんざいすることが判明している。


<2012年>

 マンション本体に、コンクリート注入不足による多数の空洞があることが判明。コンクリートかぶり厚の不足により、鉄筋の赤サビ、コンクリートの爆裂が判明。ジャンカも多数発見。


<15年>

 エントランス内の自動ドアがマンション本体の柱と結合していないことが判明。


<216年>

 建築確認申請書や竣工図(完成図)には構造スリットが明記されているが、実際には構造スリットが入っていないことが判明。


<17年>

 マンション本体を支える基礎杭が決められた深さに到達せず、支持層に入っていないことが判明。


 上記の欠陥のうち、エントランスの自動ドアと鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚不足やコンクリートの爆裂については、すでに補修が行われた。構造スリットが施工されていなかった問題については、分譲会社の住友不動産販売(株)、施工会社の(株)熊谷組、管理組合との間で協議され、構造スリットの是正工事を行うことが決まっていた。


 しかし、工事の方法をめぐり、区分所有者から疑念が生じ、工事方法の妥当性を第三者機関の(株)ERIソリューション(民間確認検査機関の日本ERI(株)の関連会社)に判定してもらうことになり、第三者機関からは「構造スリットの施工方法は妥当」の回答が得られている。


 基礎杭が支持地盤に届いていないことは、構造スリットと同様、もしくはそれ以上に深刻な問題である。


理事会・管理会社への不信から管理組合が迷走

 住友不動産販売および熊谷組は、シティタワー大濠の欠陥である「基礎杭が支持地盤に到達していない状態」について、建設業界の団体である(一社)建築研究振興協会(以下建振協)に検証を依頼し、建振協から「概ね了承」との回答を得ている。




 建振協の理事には、大学教授などのほか、清水建設(株)・(株)大林組・大成建設(株)・鹿島建設(株)などがメンバーに名を連ねており、法人会員(49社)のうちほとんどがゼネコン・設計事務所・土木コンサルタントである。このマンションの施工を行った熊谷組も建振協の会員である。


 ゼネコンの団体である建振協の検証が客観的で公正であるとは考えられないが、管理組合の理事会や弁護士・管理会社の住友不動産サービスは、「建振協にお墨付きをもらった」という結論を急ぎ、異を唱えた区分所有者が理事に立候補した際には、理事の定数に不足している状況であったにもかかわらず、排除した経緯がある。


 建振協の本部は(一社)日本建築学会が所有する建築会館のなかにあり、いかにも中立的な第三者機関というイメージを与えているが、上記の通り、ゼネコンなどにより構成される建設業界の団体に過ぎない。そのような建設業界団体が与えたお墨付きを、大半の区分所有者が信じていることに筆者は驚いた。建振協の実体をしっかり見極め、自分らの資産とマンション住人および近隣の市民の安全を守るべきである。


 構造スリットの補修方法については、住友・熊谷側から補修方法が提案され、第三者機関であるERIソリューションから「妥当」と回答を得ているが、管理組合理事会や管理会社が説明不足のまま補修を急ぐことに不信感を抱いた区分所有者から、構造スリットの補修方法について疑問の声が挙がり、管理組合が迷走を始めている。


中途半端な区分所有者への説明

 構造スリットの未施工と基礎杭の長さ不足が判明している福岡市中央区の分譲マンション、シティタワー大濠では、区分所有者から上がっている疑問のうち、工事中の騒音について11月8日に説明会を開催し、すでに熊谷組が買い取っているマンション内の住戸をサンプルルームとして補修工事中の騒音を住人に体感してもらう方針を提案した。


 しかし、区分所有者からの大きな疑問である「補修後の構造スリットの長さが図面より短い」「スリット部分のコンクリート躯体を残すことの影響」などについては説明がなかった。


計算条件を変更した検証は妥当か?

 住友不動産販売と熊谷組は、管理組合に対し「順法性再検証業務報告書」なる資料を提出している。この資料によれば、「構造スリット補修後の建物は、構造スリット未施工と基礎杭先端の支持層未達によって、確認申請時の安全率の水準よりも低下している」「低下の原因は、確認申請時の構造計算では使用していない計算条件の変更などを行っていること」と記されている。「構造スリット補修工事後の建物は、条件の変更や要素の考慮を行わなければ安全性OKとならない」とも明記されている。


 計算条件などを変更しなければ安全性がOKとならないのであれば、違法で危険な建物なのではないのか?建築確認において求められる最低限の基準である建築基準法に適合していない建物は違法建築物であり、補修を行うのであれば適法な状態になるよう補修すべきであり、それが不可能であれば建替えも検討すべきではないだろうか。



福岡市監察指導課の見解

 シティタワー大濠の一部の区分所有者が マンションの安全性に関して 福岡市建築指導部監察指導課に相談をしているということなので、監察指導課を訪問し、見解を聞いてみた。監察指導課としては、「個別の案件については、マンションの資産価値にも影響があるので非公開」という方針であった。一般論として質問したところ、下記のような回答であった。


 構造検証に使われた計算式が根拠のあるものであれば認める。具体的には、法令にある「特別の研究・調査」にあたるもの。


 検証で安全を確認しても、建築確認の状態より安全性は低下していることについては、建築確認と検証でレベルに差が生じることはあると思われる。根拠があって安全が証明され所有者が納得すれば問題ない。


 所有者が納得するために、セカンドオピニオンとして民間確認機関や構造技術者に依頼することも1つの方法。


構造設計一級建築士の仲盛昭二氏の見解

 福岡市観察指導課の見解は、行政の見解として想定内であったが、これでマンション区分所有者の安全や資産は守られるのか?「建築確認時と異なる計算条件などを用いて安全性を検証することは妥当なのか?」「建築確認時の建物の性能より低下していることは区分所有者の不利益ではないか?」という疑問について、構造設計一級建築士の仲盛昭二氏の意見を聞いてみた。


 ――シティタワー大濠の構造スリットの是正方法について区分所有者と住友不動産販売・熊谷組との間で合意に至らず、結論が出ていません。福岡市監察指導課の意見では、「構造スリットの補強方法に根拠があり、所有者が納得すれば良いこと」との回答でした。


 仲盛 福岡市監察指導課の回答は、行政としては妥当な回答だと思います。建築物の維持管理は所有者の責任です。シティタワー大濠についていえば、構造スリットを施工していなかった熊谷組や住友不動産販売が提示した補修案に対して、管理組合・区分所有者が合意すればよいことになります。


 ――マンションの区分所有者の大半は建築に関する専門的な知識をもっていないと思われるので、補修方法の判断は難しいですね。


 仲盛 現在、シティタワー大濠に関しては、建築士が管理組合に協力していると聞いています。その建築士の判断を管理組合が受け入れられれば補修を進められると思います。その建築士の判断に納得できなければ、さらに専門的な知識をもった専門家に検証を依頼することも選択肢の1つです。たとえば、先日東京の一級建築士の都甲栄充氏(仲盛氏との対談記事)は、構造スリットに関してはトップレベルの知識と現場での経験をもっておられるので、こういう方に相談をすれば、管理組合や区分所有者にとって良い結果となるのではないかと思います。


基礎杭が支持地盤に届いていない!

 ――シティタワー大濠の基礎杭が支持地盤に到達していない状態となっていますが、住友不動産販売と熊谷組は、建築確認時と異なる計算式により杭の支持力を算出し「安全」と報告しています。杭支持力の計算式にいくつか種類があるようですが、正解・不正解はあるのでしょうか?


 仲盛 構造計算に関する計算式には、建築基準施行令や国交省告示、日本建築学会その他の計算式などいくつかの種類があり、目的により正解・不正解があると思います。


 ――建築確認申請の際に使用される計算式は決まっているのでしょうか?


 仲盛 建築確認申請をする際には、告示式や特別な研究や調査により認められた計算式、認定工法の杭であれば認定を受けた計算式などが用いられます。

 建築確認を受けた設計図書における計算式が正解であり、この場合の構造耐力が、資産価値としての構造耐力であり、この資産価値を侵すことは誰にも許されません。

 建築確認時の杭の支持力計算は、杭施工後の計画変更や建築後の増改築なども考慮し、余力をもって設計されています。いわば、この余力も含めて資産価値だといえます。施工業者のミスにより、区分所有者の資産を棄損することはもっての外です。


 ――福岡市建築指導部監察指導課に聞いたところ、「使われた式が根拠のあるものであれば認める」と回答されました。


 仲盛 建築確認を認められた構造耐力レベルを下回っていることが明らかな建物であっても、いろいろな方法により検証が行われ、最終的に所有者が納得すればよいという考え方も、社会の秩序を乱したくない行政の立場としては理解できます。市民から行政に判断を求められても困るのでこのような回答とならざるを得ないと思います。


 しかし、先ほど述べたように、区分所有者は、建築確認時の構造耐力を有するマンションに対価を支払い購入しています。購入したマンションが建築確認時の構造耐力を有していないのであれば、購入金額に見合った資産価値をもっていないことになります。構造耐力や資産価値を棄損させたのはマンション販売会社や設計事務所やゼネコンなので、マンション販売会社らは、毀損された構造耐力や資産価値を回復させる義務を負うべきです。


 ――基礎杭が支持地盤に届いていない事例として、福岡市東区の分譲マンション「ベルヴィ香椎」があります。ベルヴィ香椎では、販売会社のJR九州などが建替えを表明し、先日、建替えに関する決議も行われました。


 仲盛 ベルヴィ香椎の六番館は すでに建物の傾斜が確認されていました。シティタワー大濠の場合、現在のところ傾斜は確認されていないようですが、重要な基礎杭が支持地盤に届いていないという点では同じです。今後、傾斜などの現象が現れるかもしれません。


 ――シティタワー大濠の区分所有者・管理組合は、建振協のお墨付きを信じて、基礎杭が支持地盤に届いていなくても安全であると思っているようですが・・・。


 仲盛 ベルヴィ香椎六番館は7階建てでしたが、シティタワー大濠は15階建てであり、交通量の多い幹線道路に面しており、真下には歩道があり通行人も多いところです。ベルヴィ香椎の倍以上の階数があるシティタワー大濠の軸力は相当大きく、基礎杭が支持地盤に届いていないのであれば、大変危険です。もし、マンションが倒壊し、近隣の住民や建物・自動車などに被害を与えた場合、区分所有者や管理組合は加害者となるため、適法で安全な状態に戻す義務があります。


 ――適法で安全な状態に戻すといっても、区分所有者や管理組合では資力面に限界があると思います。


 仲盛 基礎杭が支持地盤に到達していないという 重大な建物の欠陥については、マンション販売会社である住友不動産販売や施工業者である熊谷組が所有者に対して責任をもつべきです。現に、住友不動産販売も熊谷組も、基礎杭の施工ミスを認めているのです。なぜ、管理組合が、基礎杭の施行不備を適正な状態に戻すよう要求しないのか不思議に思います。


 ――杭が支持地盤に届いていない状態を補強する方法はありますか?


 仲盛 ベルヴィ香椎では、杭の周囲を固める方法が提案されていました。これは、杭周面の摩擦力に期待するものです。実際には、効果が期待できる方法ではありません。

 杭周面の摩擦力を見込む為にはある程度の杭長が必要ですが、シティタワー大濠の場合、支持地盤が比較的浅く杭長は短いので、杭周面の摩擦力は考慮できず、杭の周りを固めるという方法は適しません。


 ――杭の補強が難しいとなれば、ほかに方法は考えられますか?


 仲盛 支持地盤の浅さ、15階建てという軸力の大きさを考えれば、建て替えることが最良の方法だと思います。現実的に建替え以外に方法はないでしょう。


同じ住友不動産でありながら横浜のマンションとの対応の違い

 ――住友不動産販売が分譲した横浜市内の「パークスクエア三ツ沢公園」(設計・施工は熊谷組)においては、杭工事のデータ改ざんと建物の傾斜が発覚し、住友は建替えの方針を表明しました。


 仲盛 パークスクエア三ツ沢公園では、基礎杭の長さ不足に加えて、梁のスリーブを後工事した際に鉄筋を切断したことが判明し、傾斜した棟以外の棟も含めて 全棟を建て替えることになりました。横浜でずさんな工事を行った熊谷組が施工した福岡のシティタワー大濠においても同じレベルの手抜き工事が行われていたということです。


 ――横浜と福岡での住友不動産販売と熊谷組の対応の違いの理由は何でしょうか?


 仲盛 首都圏と比べて地方を見下すのは、大企業に見られる傾向だと思います。たとえば、福岡県久留米市の新生マンション花畑西というマンションの裁判では、施工業者である鹿島建設は、マンション区分所有者に対し不誠実な対応を続けていました。しかし、鹿島建設は、東京の南青山のマンションにおいて施工の不具合(鉄筋の切断)が発覚した際には、すぐに建替えを表明しました。このときの鹿島建設の対応に、首都圏と地方の違いを強く感じました。新生マンション花畑西の裁判は、最終的に鹿島建設が和解金を支払うことで合意しました。


 ――シティタワー大濠の管理組合や区分所有者も大きな声を挙げるべきですね。


 仲盛 シティタワー大濠の区分所有者たちが、なぜ、横浜などほかのマンションの例を突き付けて住友らを追及しないのか 不思議に思いますが、建築紛争の場合、業者側に専門知識があるのと比べ、区分所有者側は建築の知識がない場合がほとんどですから、弱者が泣き寝入りとなるケースが多いのです。専門知識がないことについては、実績のある専門家を起用すれば良いのではないかと思います。


 ――住友不動産販売や熊谷組の対応に不満がある区分所有者に対しては、熊谷組による買い取りも提示され、現在、5戸が買い取りを希望しているそうです。


 仲盛 「買い取ってもらえれば、それでいい」と考えている区分所有者が、買い取り価格に納得すれば、買い取ってもらえばいいと思います。しかし、このマンションは、その立地や眺望の素晴らしさから、中古で売りに出された場合、かなり高額になり、分譲時の価格を上回るという話も聞いています。熊谷組の買い取り価格が分譲時の価格を超えることはないと思われます。


 このマンションに人気があり相場が高くても、欠陥が明らかになれば価値も下落してしまいます。その原因をつくったのは住友不動産販売と熊谷組ですから、買い取りという方法よりも、適法で安全なマンションに建て替えるということが本筋ではないかと思います。


 ――建築基準法は震度6強以上の地震に対して、建物に多少の損傷があっても倒壊せずに建物内の人間が避難できることを目指しています。シティタワー大濠の現況は、建築基準法が定めた最低限のレベルを下回っていますが、住友不動産販売や熊谷組は、「建築基準法を満たしていないが安全」と説明しています。



 仲盛 日本の地震の震度は震度0から震度7までの10段階に区分されています。注意しなければならないのは、震度7以上の揺れであっても震度7にひとくくりにされることです。熊本地震では、前震も本震も震度7でしたが、本震の揺れは前震の何倍も強く、震度7より上の区分があったならば震度8だったかもしれません。震度6強を想定した建築基準法を満足していないマンションが震度8の地震に耐えられるとは考えられません。


 住友不動産販売や熊谷組、建振協が「建築基準法を満たしてなくとも安全」と説明していることにはまったく説得力がありません。根拠のない説明に惑わされることなく、区分所有者たち自らが事の本質を見極めるべきです。


(一社)建築研究振興協会(建振協)は第三者機関といえるのか?

 ――シティタワー大濠の管理組合は、基礎杭が支持地盤に到達していないことについて、(一社)建築研究振興協会(建振協)に検証を依頼し、「概ね問題ない」との結論を得ています。建振協の結論を どう思われますか?


 仲盛 建振協という団体は、ゼネコンなどで構成される業界団体に他なりません。大学の名誉教授も名を連ねていますが、会員企業に不利な結論を出すはずはなく、いわば、ゼネコンの用心棒的存在なのでしょう。

 基礎杭が支持地盤に到達していないという重大な問題を、法的根拠や工学的根拠を示すことなく「概ね問題ない」の一言で結論づけていることからも、この団体の性格がわかります。


 ――シティタワー大濠の区分所有者がマンションを売却する場合、マンションの欠陥は、重要事項説明の対象になりますね。


 仲盛 マンションの耐震性に関する重大な欠陥ですから、当然、重要事項説明書に記載し、説明しなければなりません。もし欠陥を隠して売却した場合、売り主も仲介の不動産業者も、契約解除や損害賠償を求められることになります。詐欺罪として刑法で罰せられることもあり得ます。


 重要事項説明書に「基礎杭が支持地盤に到達していない」と記載されていれば、そのマンションを購入する人はいないでしょう。それほど重大な欠陥なのです。


 ――マンションの欠陥が明らかになれば資産価値が下がるので、公にしたくないという区分所有者もいると思います。


 仲盛 「自分が所有するマンションの価値を下げたくない」という気持ちは理解できます。しかし、シティタワー大濠の場合、杭が支持地盤に届いていないことを住友不動産販売も熊谷組も認めているのです。マンションの欠陥については所有者が是正すべきであり、その費用について、住友不動産販売や熊谷組に賠償を求めればよいのです。そして、是正の方法としては、建替え以外に考えられないということです。


 竣工後25年以上経過している 東区のベルヴィ香椎について、JR九州など3社が建替えを表明した背景には、自社に対する世間の目を意識していることがあります。現在もマンションを分譲しているJR九州などにとって、欠陥発覚時の対応が悪いというイメージを残すことは販売上大きなマイナス要因となります。


 横浜のマンションについて住友不動産が建替えを表明したことも同じ背景があると思います。シティタワー大濠の区分所有者も、横浜のマンションの方たちと同じ熱意で住友・熊谷にぶつかるべきだと思います。自身の財産を守るのは自分自身であることを自覚すべきではないでしょうか。


 ――住友不動産販売のような大手デベロッパーの場合、系列の管理会社が管理を行う場合が多いようですが。


 仲盛 デベロッパー系列の管理会社がマンションの管理を行っている例は非常に多いのですが、弊害も多く、独立系の管理会社に変更するマンションもあります。シティタワー大濠のようなマンションの耐震性の問題が生じた場合、管理会社は区分所有者の味方ではなく、100%、販売会社を守る防波堤になってしまいます。


 分譲マンションに住む方から「うちのマンションは販売会社系列の管理会社が管理しているから安心」などと聞くことがありますが、逆に安心ではないのです。今回のような耐震性に影響のある大問題以外にも、マンションの修繕などにおいて管理会社が搾取している事例は数多くあります。先ほど話したように、自分体の財産であるマンションについては、自分たちで守るべきだと思います。


自分のマンションに関心をもつべき

 記者は、過去にも欠陥マンションに関する紛争を見てきた。そこで感じたのは、区分所有者の無関心さだ。「専門的なことはわからないから管理会社に任せる」「福岡西方沖地震で被害がなかったから今後も大丈夫だろう」「長年住んでいるから今さら騒ぎたくない」「補修や建替えとなれば仮住まいへの引っ越しが面倒」などといった後ろ向きの声である。


 「自分たちの命と財産を守ろう」という意識をもった区分所有者が団結できたマンションは良い結果を得ているし、後ろ向きの考えに支配されたマンションでは泣き寝入りという結果が多い。ひどいところでは、管理組合執行部が、マンションを守るために立ち上がった人を除け者にし、大事な声を潰してしまうケースもあった。


 マンションのような集合住宅では、区分所有者の過半数・4分の3以上・5分の4以上といった決議により 管理組合としての方針や行動が決定される。これは民主主義として正しい運営方法であるが、そこでは区分所有者1人ひとりの自覚が不可欠である。事なかれ主義や無関心ではなく、多くの区分所有者が積極的に管理組合に関わり意見を述べていくことこそ、より良いマンションライフを築く要件ではないだろうか。




【桑野 健介】

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